WA-HIN-DO

                                                   (click to English ver)

数年前、ローリングストーンズのスタッフ達が聖徳庵にやってきた。
私たちは一緒にお茶を楽しんだ、そして翌日贈り物と手紙が届いた。手紙には、過去25年間、ローリングストーンズと共に世界各国を旅した事が書かれていた。そして彼らは行った先々で消えていきつつある伝統文化について語っていた。又、彼らはこの道場を伝統文化の学びの場としてサポートしたいと言ってくれた。それはとても素晴らしい出来事であった。
そしてここも又とても素晴らしい場所「WA-HIN-DO」について語ろう・・・


ある青年は伝統的芸術である「金つぎ」を維持している。この店に入った瞬間、私も聖徳庵に来た彼らと同じ感情を抱き、何かに心を動かされたのである。
服部さんは、砕けた茶碗とその破片を純金と漆によってよみがえらせる数少ない職人である。


彼の手によってかつての美しかったものはより美しく、破損したものは再び美しい形へと生まれ変わる。美しかったものがより素晴らしい物に彼の手によって生まれ変わる。
これらの写真は壊れた酒カップを美しくよみがえらせる過程である。


これらの5工程はKOSMOSを生まれ変わらせる工程と同じである。
#1 破片と破片を漆で接着させる
   KOSMOSには2週間かけてこの工程を3回行い
   漆を塗り、擦り、磨きそして再び漆を塗った
#2 これは又違う種類の漆を使い基礎の層を作る
   KOSMOSには数週間かけて5回行った
#3 金粉の最初の層
#4 2層目の層
#5 最後の層
   1ヶ月かけて行う

服部さんは、漆と金粉を加えた。何度も何度も漆と金粉を加えそして磨きあげた。
これはとても伝統的な作業である。KOSMOSの場合も同じ作業で行われたのか?
金粉を使用するのは通常のタイプではないが特別なゴールドスミスによって上品な仕上がりになる。現在の価格は1グラム7,000円である。服部さんは毎日KOSMOSの為に3ヶ月かけて作業をしてくれたのである。


彼の話を聞きながら目を見ていると彼の茶碗に対する深い感情が感じれた。
彼はだいたいこのような感情を持たないが初めてKOSMOSの傷ついた姿を見た時、今にも
泣き出しそうな目になった。直ちに彼にとってKOSMOSは特別な茶碗になったのである。
そしてかれはおよそ3ヶ月はかかるであろう作業に取り掛かることを恐れていた。
彼はこの茶碗の運命に深く感動していた。なぜならば、あらゆる方面から壊れていたのである・・・
一番強く正面から割れていた。彼は、KOSMOSがさらに美しくそして強く生まれ変わる運命的なものを感じていた。


「もし再び破損するようなことがあったら・・・」
彼は強く言った
「必ずKOSMOSをここに連れてきてくださいね、絶対ですよ!!」